農のかたち〜私流〜

夢を語る 仲間がいる

野田村でピーマン8a、ネギ8a、寒じめほうれんそう4aを作付けする勝教さん。令和4年6月に就農し、水稲13㏊を作付けする父の米作りを手伝いながら野菜生産に取り組んでいる。父が繋いできた米作りと新たな野菜作りの両立に向け、日々汗を流している。

農家へのあこがれ

稲作農家の4人兄姉の末っ子として生まれた勝教さん。身近に見てきた農業への抵抗はなく、あこがれでもあった。もともと物づくりが好きだったと話す勝教さんは「小さい頃、将来は農家になると言っていた。姉からは『そんなに簡単なものじゃない』と言われ喧嘩したことを覚えている」と苦笑いする。

ピーマンの収穫をしている様子

車好きということもありカー用品店で働いていたが、田植えや稲刈りなどで忙しい時期は、休日を使って手伝う生活を続けていた。

「いずれは農業を」という気持ちを持ちながら暮らしていたが、両親の体力も落ち、3人の子ども達も手がかからなくなってきたことで就農を決意した勝教さん。ネギにも興味をもっていたが、地域で栽培が増えているピーマンなどの野菜を作付けし、令和4年に農家としての第1歩を歩み始めた。

不安から自信へ

就農を決めたものの、勝教さんにとっては「農家」という立場にいる自分に不安も感じていた。「この地域で、どんな人たちが農業をしているのか把握しておらず、若い人がいることを知らなかった」と話し、「勝手なイメージを持っていたが、若くてもしっかり農業をしている農業者が地域に実在している姿を見て勇気づけられました」と笑顔を見せる。また、作付けしているピーマンは地域で生産者が増えてきており、現在17人のピーマン生産者とLINEグループで繋がっており、分からないことも聞きやすく、生産者間の交流もあり農家としてのやりがいを感じ始めている。「農業は大変なこともあるけど明日はこれをしよう、失敗したら次はこうしようなど、自分で未来をつくれる楽しさがあるので飽きない」と話す。2年目となる今年のピーマン栽培には、かん水設備を導入することで昨年より収量も増やすこともでき、試行錯誤の日々を楽しんでいる。

ピーマンの収穫をしている様子

「仲間」がいること

「ピーマン中心の品目構成で、まわりを見ながら自分のカタチを作っていきたい」と今後について話す勝教さん。当初は不安を感じていたが、今では心強い農家仲間の存在も大きくなっている。研修会や指導会への参加や農作業の手伝いなど交流を深めることで、知り合いも増え、なんでも話せる仲になっている。「近くに、しっかり農業経営をしている方がいるので目標になる。今の自分は苦しみながらも自分でやってみる時期だと思う。夢を語れる仲間がいることに感謝している」と微笑み、技術の向上、知識の習得、そして「交流」を大切に、自分の将来の姿を描き始めているように感じられる。

そして、「まずは、父の米作りのサポートと自らの野菜作りをしっかり両立することで、地域の農業を盛り上げていきたい」と、目を輝かせている。

ピーマンの収穫をしている様子

プロフィール

米田 勝教

米田 勝教 まいた  かつのり さん

「令和4年に船舶免許を取得した勝教さんは海と釣りが好きで「今年は、ワカサギ釣りにも挑戦してみたい」と話す。

※広報誌「夢郷」 2023年11月号掲載時の情報です。掲載情報が変更となっている場合がございます。