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東部エリア 2024年12月07日 (土)

酪農ヘルパーの木戸場真紀子さんが企画
「飯舘村べこやの母ちゃん」自主上映

東北一の酪農郷である葛巻町の「まき×まきホール」で12月7日、「飯舘村べこやの母ちゃん~それぞれの選択~」の自主上映会が開かれた。同町の酪農ヘルパーの木戸場真紀子さん(47)が企画し、酪農家やJA女性部葛巻支部などの女性グループが賛同し、実行委員会を立ち上げ上映に漕ぎつけた。岩手県内では初の上映となった。

同作品は、2011年に起きた東京電力福島第一原発事故で、全村避難を余儀なくされた飯舘村で牛(べこ)と共に生きてきた3人の母ちゃんたちを追ったドキュメンタリー映画。古居みずえ監督が10年追い続けてきた記録で、牛を続けた人、やめた人など原発事故から人生が変わった3人の母ちゃんたちの本音が語られている。

上映会には町内外から予定を上回る72人が来場。同町で酪農を営んできた鹿渡友子さん(66)は「自分ならどんな選択したんだろうと考えさせられたが、出演している母ちゃんたちの前向きな姿に元気をもらった」と話す。

企画した木戸場さんは、「原発事故から時間が経つにつれ報道されず、福島県出身なので気にしていた時にこの映画に出会った。原発事故のことを風化させたくなく、酪農ヘルパーとして同町でお世話になっている母ちゃんたちに見てもらいたいと思い企画した」と話す。

 上映会の参加費は無料で募金を呼び掛け、集まった募金は飯舘村酪農家婦人会と映画「飯舘村の母ちゃん」製作支援の会へ贈られる。  同作品は、第19回トロント国際女性映画祭で長編ドキュメンタリー部門大賞受賞。自主上映会は制作支援の会で受け付けている。

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