東北で唯一の闘牛大会、平庭闘牛大会しらかば場所が9月8日、久慈市山形町の平庭闘牛場で開かれた。2~10歳の牛たちが迫力満点の勝負を繰り広げた。最大で1トンを超える巨体が砂を巻き上げながら角をぶつけ合う様子に観客らは歓声を上げた。取り組み終了後は、1トンを超える横綱の闘牛と多くの来場者らが触れ合い、闘牛と一緒に写真におさめた。
同大会は、東北で唯一開かれており、県内外からファンら1000人を超える人が訪れ、近年は若い女性や家族連れも多い。
子どもらと一緒に初めて訪れた盛岡市の細野祐司さん(45)は「テレビでは見たことがあったが、実際に見ると音も大きく迫力がある。勝負を引き分けにする牛へのやさしさも感じた」と話す。
同大会は、牛の将来性を考慮して、負け癖が付くことや負傷するのを防ぐため、一方が優勢になったところで勢子(せこ)が割って入り、引き分けとなる。若い牛の育成につながるこのルールで実力を付け、新潟県をはじめ全国へ渡り、名牛となり活躍している。
大会は、江戸時代に久慈近辺で製造された塩を内陸まで運ぶ「塩の道」を通る際、先頭を歩く牛を決めるために角突きをさせたのが始まりとされている。千秋楽となる「もみじ場所」は10月20日に開く。