岩手県久慈市で菌床シイタケを生産する㈱大矢内きのこ園は、シイタケの軸をカットして乾燥しペッパーミルに入れた「椎茸ガリリン」の販売を4月から始めた。シイタケの軸を使うことで白く甘い香りが特徴で、シイタケ独特の匂いが抑えられているので苦手な人でも食べやすくなっている。みそ汁や煮物のだしとしても手軽に使うことができ、生シイタケより豊富なビタミンDなどの栄養も摂取することができる。
「椎茸ガリリン」は、同社専務取締役の松下幸平さん(39)が考案した。生産や料理で捨てられるシイタケの軸をどうにかできないかと考えていたが、自らが料理をしている時、岩塩のミルに乾燥シイタケを入れて試してみたのが開発のきっかけ。傘の部分は黒っぽくなり香りも強いが軸を使うことで、色味や香りの良さを感じた。その後、社員らと調整を重ね、4月から商品化して販売を始めた。
松下さんは「もともと軸を食べていたので、捨てられることが気になっていた。乾燥シイタケは生よりも栄養が豊富。パッケージ入りより使い勝手が良いので、様々な料理でシイタケを楽しんでほしい」と話す。
同商品は10グラム入りで498円(税込)。久慈市の「道の駅いわて北三陸」で販売している。今後は、詰め替え用を製造し、5月からECサイトでの販売を予定している。