久慈市の農事組合法人宇部川ファームは6月12日、全農オリジナル品種のミニトマト「アンジェレ」の定植作業を行った。2018年に全農式トロ箱養液システム「うぃずOne(ワン)」でミニトマトを栽培していたが今年からアンジェレを導入。出荷調整作業の省力化と契約販売による計画的な出荷で、安定した収益を見込める園芸品目の確立を目指す。
同法人は、水稲46ヘクタールを栽培している。育苗ハウスの有効活用と、園芸品目の導入による通年作業と通年雇用を目指し「うぃずOne」を導入。ミニトマトを栽培していたが、出荷調整作業の手間と出荷ロスが多いという課題があった。「アンジェレ」はヘタなし、ばら出荷などによる収穫調整作業が省力化でき、秀品率が高いのも特徴で、21年から宮古地域での栽培に取り組んでいる。また、契約販売で価格が安定しているため、計画を立てやすいメリットもある。
鹿糠沢津嘉代表理事は「出荷ロスが多い現状をみてJAから提案された。通常のミニトマトと栽培のポイントは違うが、「うぃずOne」との相性は良い。価格が安定しているので、収量を意識していきたい」と話す。
本年度はハウス5棟に約2500本の苗を定植し、7月下旬から11月までに出荷を目指す。
JAの平坂博喜課長は「宮古地域で導入しているが、アンジェレは調整作業の省力化につながりロス率も低い。10アールあたり収量を確保し収益性を高めるようサポートしていきたい」と話す。