宮古市でブロッコリーやキュウリなど複数の野菜を生産する「village Farm 新里」代表の久保田智治さん(30)は、1月下旬から手作りの漬け物の販売を始めた。2024年の夏から漬物の加工販売の準備を進め10月に漬物製造業の営業許可が下りた。品質検査を終え、現在は大根を使った漬物を販売し、素材を生かした家庭の味にこだわっている。産直でも人気がある手作りの漬物が法改正により減少するなか、若手野菜農家の参入に期待が高まる。
久保田さんは、24年6月に完全移行した改正食品衛生法の影響で、農家が手作りした漬物が出回らなくなってきたこともあり、冬場の収入と家庭の味を守っていくために漬物の製造販売に踏み切った。空き家だった家を改装し準備を進め、昨年10月に漬物製造業の営業許可が下り、1月下旬に手作りの漬物販売に漕ぎつけた。
久保田さんは「母が作る漬物がおいしかったのも始めたきっかけ。生産する野菜を原料にするので素材の味を大切にした味付けにこだわり、多くの人に味わってもらいたい」と話す。
また、漬物製造の原料は出荷できないものを有効に活用することで食品ロスの削減にも繋がる。今後はニンジンやハクサイなどを使った商品を増やしていく予定だ。 製造した漬物は、道の駅シートピアなあど産直と「village Farm 新里」のホームページで購入できる。