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二戸エリア 2025年01月20日 (月)

試行錯誤の20年のタラの芽栽培 
技術確立し市場評価も上々

一戸町奥中山の坂本誠さん(67)は、タラの芽栽培に取り組み20年目となる。夏場は葉タバコを生産し、ハウスを活用した冬場の換金作物としてタラの芽栽培を2005年から始めた。栽培当初は出荷まで至らない状況だったが、県内外の産地を視察し、独自に技術を高めてきた。現在は出荷先市場からの評価も高く、冬場の収入源として大きく貢献している。

以前は、夏場は葉タバコを栽培し冬は建設関係の仕事をしていた。しかし、怪我をしたことを機に農業で通年できる品目として、葉タバコの乾燥用ハウスを活用したタラの芽栽培を始めた。県内外の産地を視察し始めてみたものの約5年は出荷できない状況が続いた。

坂本さんは「原木の作り方、伏せ込み、管理方法などが分からず、始めた頃は全滅した」と話す。しかし、諦めたくないという気持ちで栽培方法など試行錯誤を続け、多くの人に支えながら出荷できるようにはなった。一方で、需要と供給のバランスもあり販売面では苦戦していた。

20年にはJAと相談してパッケージを春が感じられるデザインにリニューアルした。また、品質の良いタラの芽を出荷するため栽培面でも妥協しなかったことで市場からの評価も高まっている。そして、市場からの要望で出荷時期も2月から年末年始の需要期である12月下旬からの出荷に早めてきた。

「品質面も評価され、求められるようになってきた。諦めずに続けてきて良かった」と話す。20年走り続けてきたタラの芽栽培の技術も品質も認められ、現在は県内外の農家も視察に訪れている。

出荷は天然ものが出回る4月上旬まで続き「タラの芽を食べて一足早い春を感じてほしい」と笑顔で話す。

タラの芽
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