脱サラして、キノコ農家となり8年目になる雫石町の佐々木潤さん(45)と妻の奈々子さん(43)。夫の潤さんが菌床シイタケ栽培に魅力を感じ就農したが、夏場の高温や冬期の暖房費など、生産面や経費面での課題に直面した。試行錯誤しながら、夏はキクラゲ、冬はナメコを栽培し、菌床シイタケとの組み合わせによる通年出荷を確立。現在はナメコの出荷の最盛期を迎えている。
潤さんは、前職の燃料会社で菌床シイタケ農家へ灯油の配達をしている中でシイタケ栽培に興味を持った。「農業の経験はなかったが、少ない土地ででき、自然環境の影響も受けづらいので可能性を感じたのが就農のきっかけ」と話す。
配達先であった農家から菌床シイタケ栽培を学び、2017年に就農した。
当初は菌床シイタケの栽培で通年出荷を考えていたが、高温となる夏場や冬場の燃料費など、栽培面や経費の面での課題に直面した。その後、試行錯誤するなかで気候に合う品目として、夏は暑さにつよいキクラゲ、冬は低い温度で栽培できるナメコに切り替え、菌床シイタケを合わせて通年出荷が可能な栽培体系を作り上げた。
「先輩農家や周りの人の支えがあってここまで来れた。先輩方が築き上げた産地に恥じない良いものをこれからも作っていきたい」と話す。
夫婦二人三脚で始めたキノコ栽培も軌道に乗ってきている。今後は、年間通した安定出荷に向け、さらに栽培技術に磨きをかけていく。