岩手県の宮古地域で、春ブロッコリーの出荷が始まった。本年度は沿岸部の全8市町村で35人が作付けし、7月中旬までの出荷で1億円の販売を目指す。
JA新いわての宮古エリアは2003年から沿岸の温暖な気候を生かした春ブロッコリーの栽培に取り組み始め、県内の約6割を占める産地に成長。現在は久慈地域での作付けも増え、JAでは沿岸地域での産地化を進めている。
宮古地域は、漁業も盛んなことから氷の調達が容易で、発砲スチロールに氷を入れて出荷している。段ボール箱出荷に比べ、高い品質を維持して店頭に届けることができる。
5月21日に開かれた春ブロッコリーの目揃い会には、宮古地域と久慈地域の生産者と関係者ら約40人が参加した。出荷市場3社を招いて、本格出荷を前に出荷規格などを確認した。
宮古市でブロッコリーを生産する久保田智治さん(29)は「今年は1.5ヘクタールに作付けを拡大した。7月までしっかり出荷していきたい」と話す。
JA宮古営農経済センターの石井健吾さんは「春ブロッコリーは独自の規格で出荷し、市場からの評価も高い。沿岸地域全域で作付けが拡大しているので、沿岸地域の主力品目としてブロッコリーの産地化を進めていきたい」と意気込む。