岩手県一戸町奥中山地域で、アスパラガスの出荷が本番を迎えている。今年は11月20日から出荷が始まり、クリスマスや年末年始の需要期となる12月中旬にはピークを迎える。夏場のアスパラガスに比べ甘みが強いのが特徴で、2022年度から「冬アスパラガス」として出荷。本州一早いアスパラガス産地としての期待も高まっている。
同地域では20年前からアスパラガスの促成栽培に取り組んでいる。秋に寒さに当てた株をハウス内に伏せ込み、根に蓄えた養分だけで育つ。同地域の冷涼な気候を生かした栽培方法により、国産が出回らない11月下旬から出荷が可能だ。今年は12人の生産者約14ヘクタールに作付けし、5000万円の販売を目指している。
JA新いわて二戸地域野菜部会奥中山支部促成アスパラガス専門部の坂本誠専門部長は「11月上旬に伏せ込んだ株から順調に生育が進み、各生産者のものも出揃ってきた。需要期に向けて、しっかり出荷していきたい」と意気込む。
JA新いわて二戸営農経済センター一戸地区担当課の上村冬真さんは「市場からの要望は強い。甘さが特徴の冬アスパラガスとして差別化した販売を進めていきたい」と話す。