岩手町を中心とするJA新いわて東部地域で、ブランドキャベツ「いわて春みどり」の出荷が最盛期を迎えた。昨年の豪雨災害によりキャベツ栽培に甚大な被害を受けたが、町や県、JA、JA全農いわての支援により営農を継続し、今年も前年並みの400ヘクタールに作付けすることができた。今年度は春先の低温の影響があったものの生育は順調で10000ケース(10kg入)を越える出荷が続いている。今年度は日量15000ケース以上の安定出荷を目指し、ブランド「いわて春みどり」の復活を目指す。
同地域は、昨年は8月上旬の豪雨や長雨の影響による被害が甚大で、例年の7割程度の出荷に留まった。出荷ピーク時のかん水と定植作業の遅れにより厳しい1年を送った。
東部地域春みどり専門部会は10日、八幡平市で「いわて春みどり販売決起大会」を開いた。生産者や市場担当者ら約40人が出席し、今年度の生育状況や消費地の状況などの情報を共有し、出荷最盛期を迎えた「いわて春みどり」の販売について確認した。
同部会の田中輝彦部会長は「町や関係機関の支援により営農を継続できたことに感謝する。『いわて春みどり』は市場からの期待も高い。良品質のキャベツを安定出荷し期待に応えていきたい」と話す。
同地域で生産される「いわて春みどり」は、昭和初期に日本一のキャベツ産地から衰退したが、キャベツ農家の思いにより約40年前に、夏場に柔らかくて甘いキャベツを食べてもらうため、敢えて栽培が難しい春系のキャベツを栽培に取り組み始めた。現在は「いわて春みどり」のブランドで親しまれている。