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営農事業

営農レポート

2020/07/16 営農ニュース

令和2年度水稲青空指導会 栽培管理のポイント(7月~8月)

中間管理のポイント

  • 稲の生育状況や葉色を確認してから追肥する
  • 幼穂形成期~減数分裂期に低温時は深水管理で幼穂を守る
  • 出穂10 ~ 15 日前に畦畔の草刈りを終え、本田へのカメムシ侵入を防止

7月以降の栽培管理

7月以降の栽培管理は、追肥や病害虫防除といった最終的な収量や玄米品質に直接影響します。
稲の生育ステージを把握し、適期に適切な作業を行うよう準備しましょう!

表1 過去5年間の幼穂形成期及び出穂期の平均値
   (大船渡市日頃市町圃場、ひとめぼれ)

幼穂形成期 出穂期
7/13
(R 1:7/14)
8/4
(R1:8/3~4)

①追肥

  • 適期に適量を追肥し、稔実籾数を増やして歩留まりの向上を目指しましょう。
  • 追肥時期は「幼穂形成期」が基本です。8月以降の実肥は青未熟米が発生します。
    ※ 追肥するタイミングが幼穂形成期より早いと節間が伸長して倒伏の原因となり、減数分裂期より遅い追肥は未熟米の発生等により食味低下に繋がります。
  • 追肥の可否の判断は、生育状況や葉色を確認しつつ右表を参考にしてください。

※基肥に緩効性肥料(「気仙430」や「エルピー」)を使用した場合は、追肥不要

表2 「 ひとめぼれ」の追肥時の現物施肥量目安(kg/10a)

NKC-17号
(17-0-17)
硫安
(21-0-0)
N:1.0kg 6.0kg 4.8kg
N:1.5kg 9.0kg 7.2kg

②水管理について

1.中干し直後の水管理

  • 根の活力を維持するために間断かんがいとし、徐々に常時湛水に切替える。

2.幼穂形成期~減数分裂期の水管理

  • 幼穂形成期には水深4~6cm 程度の湛水とする。
  • 以後は冷害に備えて水深を次第に深め、止葉の先端が出始める頃(減数分裂始期)までに10cm 程度の水深を確保。

3.減数分裂期(冷害危険期)の水管理

  • 週間天気予報などで、低温が予想されるときは水深を深く(10cm以上)し、17℃以下の低温が予想されるときは、水深15cm以上で管理しましょう。
  • 低温の心配が全くない場合は、根の健全化のため、間断かんがいを行う。

4.出穂期前後の水管理

出穂・開花期は、稲が最も水を必要とする時期

  • 穂ばらみ期~出穂・開花期は、常時湛水とします。(※水深は田面が隠れる程度)
  • 出穂から出穂後20日までは、3~4日間入水した後に1~2日の落水を繰り返し、その後徐々に入水期間を短くして田面を乾かします。
  • 落水時期は、水持ちのよい水田で出穂後30~ 35日頃、排水のよい水田では35~ 40日頃が目安です。

※ 早期落水は、腹白粒の増加や千粒重の低下、胴割粒の発生の原因になります。

雑草・病害虫防除

①雑草防除

ノビエ対策

薬剤名 使用時期 10a当たり使用量・使用方法 使用回数
クリンチャー
1キロ粒剤
移植後7日~ノビエ4葉期
(収穫30日前まで)
1.0kg 湛水散布 2回以内
クリンチャー
1キロ粒剤
移植後25日~ノビエ5葉期
(収穫30日前まで)
1.5kg 湛水散布 2回以内
クリンチャー
ジャンボ
移植後7日~ノビエ4葉期まで
(収穫30日前まで)
小包装20個(1.0㎏)
水田に小包装(パック)のまま投げ入れる
2回以内
クリンチャー
ジャンボ
移植後25日~ノビエ5葉期まで
(収穫30日前まで)
小包装30個(1.5㎏)
水田に小包装(パック)のまま投げ入れる
2回以内

広葉雑草対策(ホタルイ・シズイ・オモダカ等)

薬剤名 使用時期 10a当たり使用量・使用方法 使用回数
バサグラン粒剤 移植後15日~55日
(収穫60日前まで)
3~4㎏落水散布又は
ごく浅く湛水して散布
1回
バサグラン液剤 移植後15日~55日
(収穫50日前まで)
500~700㎖(希釈水量70~100L)
落水散布又はごく浅く湛水して散布
2回以内

※「移植水稲」での登録情報のみ掲載

②穂いもち・紋枯病防除

箱粒剤の効果は7月中旬で薄まります。(予防効果が切れないよう、予防粒剤で防除します。)葉いもちが見えたら茎葉散布剤で防除!

薬剤名 使用時期 10a当たり使用量 使用回数 注意事項
オリブライト
1キロ粒剤
7月中旬に散布
(出穂10日前まで但し収穫45日前まで)
1kg/10a 1回 湛水状態で散布
※水深5cm
オリブライト250G 7月中旬に散布
(出穂10日前まで但し収穫45日前まで)
250g/10a 1回 湛水状態で散布
※水深5cm

※「オリブライト250G」は豆粒大の剤であり、水面に落ちると速やかに拡散します

③斑点米カメムシ防除

  • 水田周辺のイネ科雑草や牧草(イタリアンライグラス等)、本田内の雑草( ヒエ・ホタルイ・シズイ等) は斑点米カメムシ類の繁殖場所になります。
  • 重点草刈り時期は「出穂10~15日前」で、地域一斉に畦畔草刈りを行うことでより防除効果が高まります。
    ※上記期間に草刈り出来なかった場合は、薬剤防除後1週間以内に草刈りしましょう。
  • 水田周辺にイネ科雑草・牧草が多い、又はは例年カメムシ類の発生密度が高く、斑点米の多い、「あきたこまち」のような割れ籾が発生しやすい品種を作付けした圃場では穂揃期2週間後に追加防除を行いましょう。
薬剤名 使用時期 10a当たり使用量 使用回数 注意事項
ダントツ粒剤 穂揃期~1週間後に散布
(収穫7日前まで)
3~4kg 3回以内 養蜂家へ散布時期を
事前に連絡
ダントツH粉剤DL 穂揃期1~2週間後に散布
(収穫7日前まで)
3~4kg 3回以内 養蜂家へ散布時期を
事前に連絡
ダントツ粉剤DL 穂揃期1~2週間後に散布
(収穫7日前まで)
3~4kg 3回以内 養蜂家へ散布時期を
事前に連絡

※「ダントツ粒剤」は、カメムシ類や水田雑草の発生密度が高い水田での使用は避ける
※本資料は、令和2年6月18日登録反映分の農薬登録情報に基づいて作成しています