農作業中の熱中症にご用心!
平成30年の農作業中の熱中症による死亡事故は43人に上り、調査開始以来最多の死亡者数となりました。7月から8月に70 ~ 80代の方が屋外作業を行うときに集中して発生していますので、十分な対策を行いましょう。
夏の農作業で心がけること
①日中の気温の高い時間帯を外して作業を行いましょう
特に70歳以上の方は、のどの渇きや気温の上昇を感じづらくなるので、高温時の作業は極力避けましょう。
②こまめな休憩、水分補給を行いましょう
のどが渇いていなくても20分おきに休憩し、毎回コップ1~2杯を目安に水分補給しましょう。
③熱中症予防グッズを活用しましょう
屋外では帽子、吸汗速乾性素材の衣服の着用、屋内では送風機などを活用しましょう。
④単独行動を避けましょう
作業は2人以上で行うか、時間を決めて水分・塩分の補給の声掛けを行うなど、定期的に異常がないか確認し合うようにしましょう。
⑤高温多湿の環境を避けましょう
暑さ指数(WBGT)計、温度計、湿度計で、作業環境を確認しましょう。作業場所には日よけを設ける等、できるだけ日陰で作業をするようにしましょう。
熱中症が疑われる場合は…
① 暑い環境で体調不良の症状がみられたら、すぐに作業を中断しましょう
- めまい、吐き気がする
- ズキンズキンとする頭痛がする
- 体がだるい
- 手足がしびれる、冷たい
- 汗をかかない、体が熱い
- まっすぐに歩けない
②応急処置を行いましょう
- 涼しい環境へ避難しましょう
- 服をゆるめて風通しを良くしましょう
- 水をかけたり、扇いだりして体を冷やしましょう
- 水分・塩分を補給しましょう
※脇の下、両側の首筋、足の付け根を冷やすと効果的です。
③病院で手当てを受けましょう
意識がない場合、自力で水が飲めない場合、応急処置を行っても症状が良くならない場合は、すぐに病院で手当てを受けるようにしてください。
日常生活で心がけること
①暑くなる前に、熱中症に負けない体づくりをしておきましょう
- 暑さに慣れるため、毎日30 分くらい歩く習慣をつけましょう
- 暑さに強くなる食べ物を積極的に摂りましょう
※ビタミンB1を含む豚肉や卵、カリウムを含むほうれん草やバナナ、クエン酸を含む梅干しやパイナップルなどが効果的です。
② 暑くなってきたら、日々の体調管理に一段と気をつけるようにしましょう
- 高血圧症・糖尿病等の持病や、睡眠不足・前日の飲酒・朝食の未摂取等は熱中症の発生に影響を与えます
- 朝食は作業前に欠かさず食べましょう
- 睡眠はしっかりとりましょう
- お酒はほどほどにしましょう(気づかないうちに脱水します)
- 持病がある場合や体調不良のときは翌日の作業内容の変更などを検討しましょう
家畜の暑熱対策を徹底しましょう!
暑熱は、牛の増体、繁殖成績の悪化、乳量の低下をさせるだけでなく、熱射病による死亡を引き起こす等、経営に悪影響を及ぼす原因となります。本格的な夏が来る前に、暑熱対策のポイントを確認し、対策を徹底しましょう。
畜舎環境面の対策例
畜舎外から畜舎温度を下げる
- 動力噴霧器、スプリンクラー等で、屋根へ散水しましょう
- 屋根に石灰乳を塗布しましょう
- 寒冷紗を設置して、遮光しましょう
畜舎内設備で畜舎温度を下げる
- 窓や戸を開放し、さらに畜舎内の整理整頓をすることで、畜舎内の空気の流れを良くしましょう
- 牛の体に扇風機で送風、散水しましょう
飼養管理面の対策
飼料給与等の工夫
- いつでも新鮮で冷たい水を十分に飲めるようにしましょう
- 涼しい時間帯に給与しましょう
- 1回あたりの給与量を減らし、給与回数を増やすことで採食量を維持しましょう
- ビタミンやミネラルを添加しましょう